子供がITに触れる機会が増えた現代、、学校の授業・家族や友達との連絡・趣味の発見など、ITを活用することは必須となっており、適切に活用すれば子供の可能性を大きく広げることができます。
しかし、その一方で、インターネットの危険から子供を守ることも重要な課題です。

今から子供にスマホを持たせてもいいのかな……
インターネットを自由に使わせても大丈夫?
お子様にデジタル機器を与える際、こうした悩みを抱える保護者の方は多いのではないでしょうか?
実際に警察庁の統計では、SNSを通じて犯罪被害に遭った子供の数は高止まりしており、特に小学生の被害が増加傾向にあります。
こうした問題を防ぐために、Googleが提供する「Googleファミリーリンク」と「子ども用Googleアカウント」や、Appleの「ファミリー共有」と「スクリーンタイム」等が役立ちます。これらを活用すれば、子供にとって適切なインターネット環境を整え、安全にデジタル世界を楽しむことができるでしょう。
- インターネット上に潜む危険(犯罪・トラブル・依存症など)を知りましょう
- お子様を守るために、家庭でできる対策と管理方法を理解しましょう
- デバイスごとに最適な設定(Android・iPhoneの違い)で安全な環境を整えましょう
- 万が一被害に遭ったときの対応も事前に知っておくことで、適切に対処できます
今回のお話を読めば、「子供が安心してインターネットを使える環境をどう作るか」「保護者がどこまで管理すべきか」が明確になります。お子様の未来の可能性を広げるために、今すぐできる安全対策を始めましょう!
子供が直面しやすいインターネット上の危険と犯罪

先ほど、お子様がパソコンやスマートフォンを利用するときの懸念事項についてお話ししました。しかし、具体的な危険を知らないまま「なんとなく不安」というだけでは、保護者が適切に守ることができませんし、お子様自身が気をつけることは難しいでしょう。まずは、現代の子供たちが直面しているインターネットの危険や被害の実態を見てみましょう。

警察庁が公表した2023年の統計によると、SNSをきっかけに犯罪被害に遭った18歳未満の子供の数は1,665人でした。2019年の2,082人から減少傾向にあるものの、被害者数は依然として高い水準を維持しています。

特に小学生の被害は過去10年で3倍以上に増加しています。さらに、これらの数字は警察が把握した事例のみを示しており、軽微なトラブルを含めれば、誰もが被害に巻き込まれる可能性があることを示唆しています。こうしたリスクを考慮すると、家庭でも「自分の子どもは大丈夫」という意識を改める必要があるでしょう。

また、内閣府の調査によると、保護者の95%が「フィルタリング」というインターネットの制限ツールの存在を知っているにもかかわらず、実際に利用しているのは約43%にとどまっています。さらに、被害に遭った子どもの約88%はフィルタリングを利用していない状況でした。つまり、多くの保護者が危険を回避する手段を知っていながら、それを活用していない実態があります。
一方で、こうしたツールを活用するだけで一定の被害を防ぐことが可能です。
では、具体的にどのような問題が起こりやすいのか、詳しく見ていきましょう。
インターネットの危険と犯罪の実例
- 有害コンテンツへのアクセス
- 暴力的、性的、または違法なコンテンツに子供がアクセスしてしまうリスクがあります。これにより心理的な悪影響を受けるだけでなく、犯罪行為に巻き込まれる可能性もあります。
- 個人情報の漏洩
- SNSやアプリの使用時に、子供が自宅の住所や学校名、電話番号といった個人情報を無意識に公開してしまうことがあります。これにより、ストーカー被害や詐欺に巻き込まれるリスクが高まります。
- インターネット依存症
- 長時間のインターネット利用が原因で、学業や生活習慣に悪影響を及ぼす「インターネット依存症」。特にSNSやオンラインゲームに没頭する子どもに多く見られる問題です。
- 金銭トラブル
- 高額課金
子供がゲームやアプリ内で意図せず課金を行い、高額な請求が保護者に届くケースが増えています。特に、課金の仕組みを十分に理解していない小学生が被害に遭いやすい問題です。 - ワンクリック詐欺
子供が不正なリンクをクリックし、架空請求を受けることがあります。「〇〇円を支払わないと法的措置を取ります」といった文言で恐怖心を煽られ、金銭的被害や個人情報の流出に繋がる可能性があります。
- 高額課金

ワン仔も家族から「アダルトサイト見たら、15万円払わなくちゃいけなくなって。電話もかかってきて『裁判になる』って言ってる〜」と泣きつかれたことがあります(苦笑)
- 性的被害
- SNSやオンラインゲームを通じて、見知らぬ大人が子供に接近し、信頼関係を築いた後に性的被害や誘拐などの犯罪に発展するケースがあります。
- 子どもが自身の写真や動画をSNSで共有するよう誘導される事例もあり、これが児童ポルノ犯罪に繋がることがあります。
- ネットいじめ(サイバーいじめ)
- SNSやチャットアプリを通じて行われる誹謗中傷や悪口、仲間外れなどがエスカレートし、精神的ダメージを受ける子供が増えています。これが学校生活にも影響を与え、実際のいじめに発展する場合もあります。
では、インターネットの危険から大切なお子様を守りながら、その可能性を最大限に伸ばすためには、どのような対策を取ればよいのでしょうか?
子供を守るために大切なこと

お子様が安全にインターネットを利用するためには、家庭での適切なサポートとリスク管理が不可欠です。インターネットの便利さとともに、犯罪やトラブルに巻き込まれるリスクがあることを知り、適切な対策を講じることが大切です。
特に重要なのは、以下の3つのポイントです。
- 家族とのコミュニケーションを深めること
- ネットリテラシーの教育を行う
- インターネットにおけるリスクを適切に管理・制限すること
家庭でできる具体的な対策について、もう少し詳しく見ていきましょう。
家族とのコミュニケーションを深めること
- 家庭でのルール作り
インターネットを安全に利用するためには、事前に家庭内でルールを決めておくことが重要です。例えば、以下のようなルールを家族で話し合いましょう。
このように、親子でルールを話し合い、納得した上で決めることが重要です。お子様がルールを理解しやすいように、理由も一緒に説明しましょう。
- 相談しやすい環境づくり
インターネットのトラブルは、子供が大人に相談しづらいことが多いのが特徴です。お子様が困ったときにすぐに相談できるよう、日頃から「どんなことでも話していいよ」という雰囲気を作ることが大切です。例えば、
こうすることで、お子様がトラブルに直面した際に、一人で抱え込まずに相談しやすくなります。
ネットリテラシーの教育を行う
- インターネットの危険性を理解させる
子供がインターネットを安全に使うためには、ネットリテラシー(インターネットの正しい使い方)を身につけることが重要です。
子ども向けのネット安全教育プログラムや、親子で一緒に学べる教材を活用するのも効果的です。
- ネットでのコミュニケーションの取り方
SNSやチャットを利用する際のマナーやリスクについても教えましょう。
こうしたルールを教えることで、トラブルに巻き込まれるリスクや、精神的なストレスを減らすことができます。
インターネットにおけるリスクを適切に管理・制限すること
- 親の管理とサポート
子供がインターネットを使う環境を整えるために、親が適切な管理を行うことが重要です。
しかし、これらの管理をすべて手動で行うのは、保護者にとって大きな負担となります。そこで、効率的に子どものインターネット利用を見守り、適切に管理できる便利なツールが、Googleの「ファミリーリンク」「子ども用Googleアカウント」や、Appleの「ファミリー共有」「スクリーンタイム」等です。
次に、これらのツールを活用することで、具体的にどのようなことができるのかをお話しします。
「Googleファミリーリンク」「Appleファミリー共有」とは?

お子様の安全なインターネット利用を実現するために、「Googleファミリーリンク」や「Appleファミリー共有」はとても便利なツールです。これらは「ペアレンタルコントロール」と呼ばれる保護者による管理機能です。
保護者が子どもや未成年者のデジタルデバイスの使用を管理し、安全なインターネット環境を提供するための機能です。以下のようなことが管理できるようになります。
- お子様のアカウントの利用を適切に管理
- デバイスの使用時間やアプリの管理
- プライバシー設定の調整
- 位置情報の共有
では、具体的にどのようなことができるのか、詳しく見ていきましょう。
ペアレンタルコントロールで管理できること
- ウェブコンテンツの制限
お子様が不適切なウェブサイトやアプリにアクセスしないように、フィルタリング機能を活用できます。
- アプリの管理
子どもが利用するアプリを適切に制御できます。
- 利用時間の設定
お子様のデバイスの利用時間を適切に管理することで、インターネット依存を防ぎ、健康的なライフスタイルをサポートします。
- アクティビティの確認(利用状況の把握)
お子様がどのようにインターネットを利用しているかを把握できます。
- お子様のアカウント管理・プライバシー保護
お子様の個人情報やアカウントの安全を守るための機能も備わっています。
- デバイスの場所確認(位置情報の共有)
お子様の現在地を確認できるため、安全管理に役立ちます。
- 通知やアラートの受信
ペアレンタルコントロールのメリットとデメリット

Googleの「ファミリーリンク」「子ども用Googleアカウント」Appleの「ファミリー共有」「スクリーンタイム」等は、お子様のインターネット利用を安全に管理できる便利なツールですが、すべてが完璧というわけではありません。 保護者にとって役立つ機能が多くある一方で、利用する際の注意点や課題も存在します。
そこで、メリットとデメリットを整理し、デメリットをどう捉え、どのように対策すればよいのかについても考えていきます。
メリット
メリットは前述しましたので、ここでは簡単にまとめてお話しします。
また、これら以外にも以下のようなメリットがあります。
デメリット
- お子様の不満につながることがある
- 保護者の管理負担が増える
- 制限の柔軟性が低い
- 通信状況に依存する
親子の信頼関係を築く!
ペアレンタルコントロールは子供のインターネット利用を安全に管理する便利なものですが、その活用で大切なのは、親子で信頼関係を築くことです。ただ制限をかけるだけでは子供が「監視されている」と感じてしまうため、話し合いを通じたサポートが重要です。
- ルールを設定する際には、お子様と一緒に話し合いましょう。「なぜこの制限が必要なのか」を説明し、納得してもらうことで、お子様の自主性を尊重した管理が可能になります。
- 設定はお子様の成長や状況に応じて定期的に見直しましょう。少しずつ制限を緩和し、お子様に権限を移譲することで、責任感や判断力を育むことができます。
- 利用状況を確認する際は監視が目的ではなく、お子様の興味や関心を知る手段として活用しましょう。親子での会話を増やし、デジタル環境を共有することが、信頼関係を深める鍵です。
Androidでは?iPhoneでは?親子のスマートフォン組み合わせ比較

GoogleファミリーリンクはAndroid向け、Appleファミリー共有はiPhone向けに最適化されています。
そこで「保護者と子供のスマホが違う場合、どうやって管理すればいいの?」という方もいるのではないでしょうか?
保護者とお子様のスマホの組み合わせによって、ベストな管理方法が変わります。ここでは、保護者とお子様のスマホの組み合わせごとに、最適な管理方法をわかりやすく解説します!
保護者の スマホ | お子様の スマホ | 最適な管理方法 |
---|---|---|
Android | Android | Googleファミリーリンクが最適! |
iPhone | Android | Googleファミリーリンク(親がiPhoneでも管理可能) |
iPhone | iPhone | Appleファミリー共有・スクリーンタイムが最適! 補助的にGoogleファミリーリンク |
Android | iPhone | Appleスクリーンタイムを子供のスマホで直接管理 補助的にGoogleファミリーリンク |
親子でAndroid
- Googleの「ファミリーリンク」「子ども用Googleアカウント」が最適
保護者がiPhone、お子様がAndroid
- Googleの「ファミリーリンク」「子ども用Googleアカウント」が最適
- 保護者のiPhoneでは「Googleファミリーリンク」アプリを活用
親子でiPhone
- Appleの「ファミリー共有」「スクリーンタイム」が最適
- 位置情報の共有はApple「探す」アプリを活用
- お子様がYouTube・Gmail・Chrome等のGoogleサービスをよく使う(細かく制限したい)場合は、Googleの「ファミリーリンク」「子ども用Googleアカウント」を活用
- 13歳未満のお子様がGoogleサービスを使用する場合は、Googleの「ファミリーリンク」「子ども用Googleアカウント」が必須
保護者がAndroid、お子様がiPhone
- 基本的にはお子様のiPhoneで、直接Apple「スクリーンタイム」を設定管理
- 位置情報の共有は「探す」以外のアプリを活用
- お子様がYouTube・Gmail・Chrome等のGoogleサービスをよく使う(細かく制限したい)場合は、Googleの「ファミリーリンク」「子ども用Googleアカウント」を活用
- 13歳未満のお子様がGoogleサービスを使用する場合は、Googleの「ファミリーリンク」「子ども用Googleアカウント」が必須
それでも子供が被害に遭ったら

インターネットの危険からお子様を守るために、フィルタリングや利用ルールの設定、親子のコミュニケーションを大切にしていても、残念ながらトラブルを完全に防ぐことはできません。もし、お子様がネット上で被害に遭ってしまった場合、どのように対応すればよいのでしょうか?
ここでは、被害を受けたお子様への適切な対応方法についてお話しします。
1. まずは「話してくれてありがとう」と伝える
子供がネットのトラブルや犯罪被害に遭った場合、保護者に相談すること自体がとても勇気のいることです。

怒られるかもしれない
心配をかけたくない
自分が悪いのではないか?
このような気持ちから、子供は被害を隠してしまうことがあります。そのため、何よりもまず大切なのは、話をしてくれたこと自体に感謝の気持ちを伝えることです。

話してくれてありがとう。大丈夫だよ、一緒に考えよう。
教えてくれて助かったよ。どうしていいかわからなかったよね。
このように、安心できる言葉をかけてあげることで、子供は「相談してよかった」と思えます。

前述したワン仔の家族がワンクリック詐欺に遭ったときは、「しょうがねえなー」って笑い飛ばしてあげましたわw
もちろん一円も払いませんでしたがね
2. 何度も詳しく聞き出そうとしない
子供が被害を受けた直後は、とても不安定な精神状態になっています。保護者としては「何があったのか詳しく知りたい」という気持ちが強くなりますが、繰り返し細かく聞くことは、子供にとって精神的な負担となる可能性があります。特に、ショックの大きい出来事(詐欺被害・性的被害・いじめなど)に関しては、何度も思い出させることで記憶が強化され、トラウマになってしまうこともあります。

無理に話さなくていいよ。大切なのは、どう解決するかだからね。
詳しいことは、必要なときに一緒に考えよう。
このように、子供が話しやすいタイミングを待ちつつ、過度な追及を避けることが大切です。
3. 速やかに警察や相談機関へ連絡する
ネット犯罪や深刻なトラブルに巻き込まれた場合、家庭だけで解決しようとせず、専門機関に相談することが重要です。特に、
🔹 金銭トラブル(詐欺・高額課金)
🔹 ネットいじめ
🔹 個人情報の流出
🔹 性的被害(脅迫・写真の流出など)
このようなケースでは、早めに警察や専門機関に相談することで、被害を最小限に抑えられる可能性があります。
インターネット上のトラブルや犯罪に関する相談ができる機関はいくつかあります。
- 「#9110」(警察相談専用ダイヤル)
- 「0120-007-110」(法務省:こどもの人権110番)
- 「189」(児童相談所虐待対応ダイヤル)
全国の警察に設置されている「#9110」は、犯罪被害やトラブルについて相談できる窓口です。緊急ではないが「どう対処すればよいかわからない」といったケースでも対応してもらえます。
もし、生命の危機や重大な犯罪が発生している場合は、ためらわず110番に通報しましょう。
まとめ
インターネットは、子供たちに新しい知識や世界とのつながりをもたらし、創造力や表現力を伸ばす大きな可能性を秘めています。
しかし、その一方で、トラブルや犯罪に巻き込まれるリスクもあります。だからこそ、親子でインターネットの使い方を話し合い、ルールを決めることが重要です。また、何かあったときに「相談してもいい」と思える信頼関係を築くことで、お子様は安心してデジタルの世界を活用できます。
安全を守りながらインターネットの力を味方につけ、お子様の未来の可能性を広げるために、今すぐこれらのツールを設定し、安心できる環境を整えましょう。
Googleファミリーリンクの設定方法は次のお話です。

ここまでお読み頂きありがとうございました。
今回のお話が少しでもみなさんのお役に立てれば幸いです!
ではでは、いつかまた、きっとどこかで。。。
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